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おやまだいのいえ architecturephoto.netに掲載されました

【architecturephoto.netに掲載していただきました】



日本有数の建築情報サイトarchitecturephoto.netにおやまだいのいえを掲載していただきました。早いもので竣工して2年余りが経ち、コロナの影響で2年点検が延期になりましたが、今年の初めにお邪魔した際には大きな不具合もなく、新たな家族(ワンちゃん)も加わり、とても楽しくきれいに住まわれていたのが印象的でした。

掲載していただくにあたり、改めて作品を振り返ってみました。


設計を進めるうえで3つの大きなポイントがありました。

1つめのポイントとしては、敷地が世田谷区の風致地区にあたり各境界線からの壁面後退距離があったことと、駐車場を2台設けることが挙げられます。駐車場は安全に駐車ができるよう交差点から最も離れた位置に設け、歩行者動線は北側の道路境界に接している緑化に面して建物側にアプローチを計画しました。建物と道路の間に緑化を設けることで、建物へ安全にアプローチするだけでなく、ヤマボウシとシマトネリコといった植栽が緩衝帯となり歩行者の視線を優しく遮ります。


2つめのポイントは開口部の提案です。

幹線道路が近くにあることやバス通りであるため、大型車両の交通量も多く、音や開口部への工夫が必要だと考えました。1階を「うつわ」のように中を刳り貫いた形状とすることで、周囲からの音や視線を感じづらくすることができると考えた。さらに周囲から見えない位置にハイサイドライトを設けることで、室内に光を取り込むことができ、明るく気持ちの良い空間が実現できました。また、1階の東側を引き出しを引くように外に持ち出して、テラスを設けることで、屋外と一体となるような生活空間を実現することができました。


3つめのポイントはレベル設定です。

用途や空間に応じて床のレベルを変えることで、場所に意味合いを持たせることができます。玄関は外部との出入り口のため、外部に近いレベルから始まり、少し上がったところにリビング等の生活空間、リビングから少し下がったところに水廻りを設け、2階に上がると子供たちが勉強したり作業をするスペースがあり、各々の部屋へと通じる。2階からさらに上がると夫婦の寝室があり、さらに上がると屋上テラスへと通じる。レベルを変えることで室の上下にロフトを設け、大容量の収納スペースを確保している。吹抜けが大きく、空調効率があまりよくないと考えられがちだが、居住域を空調することで人のいる場所のみ空調するという考え方としている。中間期には、1階から屋上ロフトまで重力換気を行える。


ハイサイドライトから落葉樹のヤマボウシを見ながら季節を感じ、夏になると屋上テラスから多摩川の花火を望むことができ、冬でも陽の温かさを感じられる。提案時に忍者屋敷みたいで楽しそうと言われた建物は、様々な居場所から様々な風景を望め、日常を彩ることができる。グレイッシュな外観からは想像ができないような世界が内部には拡がっている。



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